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収納を考えるとき、多くの人が最初に「どこに入れるか」「どんな収納グッズを使うか」を思い浮かべます。しかし実際には、その前段階として欠かせない作業があります。それが、今自分の家にどれだけの物があるのかを正確に把握することです。物の量が曖昧なまま収納を考えると、入れたはずなのに収まりきらない、片づけてもすぐ散らかる、といった状況に陥りやすくなります。
「全体像」を知ることが収納の出発点
物の量を把握するとは、単に数を数えることではありません。自分が何をどれだけ持っていて、それらがどんな役割を果たしているのかを理解することです。例えば衣類であれば、「普段よく着る服」「特定の季節だけ使う服」「ほとんど着ていないが捨てきれない服」など、用途や使用頻度によって自然と分類できます。この全体像が見えることで、収納に必要なスペースの目安もつかめるようになります。
把握のために有効なのは、一度すべてを同じ場所に集めてみることです。引き出しや棚ごとに分けて見るよりも、まとめて確認することで、思っていた以上に量が多いことや、似た物が重複していることに気づきやすくなります。驚くかもしれませんが、この「気づき」こそが、無理のない収納を作る大切な材料になります。
「持っている理由」を言葉にしてみる
物の量を把握する過程では、「なぜこれを持っているのか」を考える時間も生まれます。頻繁に使う物であれば理由は明確ですが、使っていない物ほど説明が難しいものです。「いつか使うかもしれない」「高かったから」「思い出があるから」など、理由は人それぞれでしょう。ここで無理に手放す必要はありませんが、理由を言葉にすることで、その物との距離感が見えてきます。
この作業を通じて、今の暮らしに本当に必要な物の輪郭が少しずつ浮かび上がります。すると、収納は「押し込む作業」ではなく、「必要な物を使いやすく置くための準備」へと意識が変わっていきます。この意識の変化は、その後の収納方法を選ぶ際にも大きく影響します。

把握は一度で完璧を目指さない
物の量を把握しようとすると、すべてを一気にやらなければならないと考えてしまいがちです。しかし実際には、場所ごと、カテゴリーごとに少しずつ進める方が現実的です。今日はキッチン、次はクローゼット、といった具合に区切ることで、負担を感じにくくなります。
また、暮らしは常に変化します。季節が変われば使う物も変わり、家族構成や生活リズムが変われば必要な物も入れ替わります。物の量を把握する作業は一度きりではなく、定期的に行うことで、収納を無理なく保つための土台となります。最初の一歩として、今ある物と向き合う時間を持つことが、片づけが続く収納への近道と言えるでしょう。
物の量を把握できたら、次に考えたいのが「どこで使うか」という視点です。収納というと見た目を整えることに意識が向きがちですが、日常の動作と合っていない定位置は、使うたびに小さなストレスを生みます。結果として出しっぱなしや仮置きが増え、散らかりやすい状態につながってしまいます。
「使う場所」と「しまう場所」を一致させる
定位置を決める基本は、物を使う場所のすぐ近くにしまうことです。例えば、掃除用品を掃除する場所から離れた収納にまとめてしまうと、取りに行く手間が増えます。その手間が積み重なることで、「あとで片づけよう」という気持ちが生まれやすくなります。反対に、使う場所としまう場所が一致していれば、出す・使う・戻すという一連の動作が自然につながります。
この考え方は、キッチンや洗面所、リビングなど、家のどの場所にも当てはまります。調理道具は調理台の近く、タオルは使う洗面台の下、といったように、行動の流れに沿って配置することで、収納はぐっと使いやすくなります。
家族それぞれの動線を意識する
一人暮らしであれば自分の動きだけを基準にできますが、家族と暮らしている場合は少し視点を広げる必要があります。同じ物でも、使う人や使い方が異なることは珍しくありません。例えば文房具ひとつ取っても、仕事で使う人、勉強で使う人、ちょっとしたメモ用に使う人では、手に取る場所が違います。
すべてを一か所に集約するよりも、使う人の近くに分散させた方が、結果的に片づけやすくなることもあります。定位置は「家全体で一つ」ではなく、「役割ごとに複数あってもよい」と考えると、無理がありません。
完璧な定位置を最初から決めない
定位置を決める際に陥りやすいのが、「一度決めたら変えてはいけない」という思い込みです。実際には、使ってみて初めて分かる不便さも多くあります。戻しにくい、取り出しにくいと感じたら、それは見直しのサインです。
最初は仮の定位置として置いてみて、数日から数週間使ってみることをおすすめします。その中で違和感があれば、位置を少し変えるだけで解決することもあります。定位置は固定されたルールではなく、暮らしに合わせて調整していくものです。
使う場所に合わせて定位置を決めることで、収納は特別な作業ではなく、日常の動作の延長になります。物を戻す行為が自然に組み込まれると、片づけは意識しなくても続くものへと変わっていきます。その積み重ねが、整った状態を保つ力になります。
収納を整えようとすると、まず収納用品を買い足したくなる人は少なくありません。サイズ違いのケースや便利そうなボックスを見ると、「これがあれば片づくかもしれない」と感じるものです。しかし、収納用品に頼りすぎると、かえって使いにくくなったり、物が増える原因になったりすることがあります。ここでは、道具を増やす前に意識したい考え方について掘り下げていきます。
収納用品は「解決策」ではなく「補助役」
収納用品は、物の量や置き場所が整理された後にこそ力を発揮します。まだ物の持ち方や定位置が定まっていない段階でケースや棚を増やすと、「入るから取っておく」「空いているから詰める」といった発想になりやすくなります。その結果、不要な物まで残り、管理が難しくなることがあります。
まずは、今ある収納スペースをどのように使っているかを見直すことが大切です。棚の高さが合っていない、奥の物が取り出しにくいなど、使いづらさの原因は用品不足ではなく配置にある場合も多くあります。用品は問題を解決するための手段であり、目的ではないという意識を持つことが重要です。

「余白」を残すことで使いやすさが生まれる
収納用品を使うと、スペースをきっちり埋めたくなる気持ちが生まれます。しかし、詰め込みすぎた収納は、出し入れのたびに手間がかかり、結局使われなくなることがあります。あえて余白を残すことで、物の動きがスムーズになり、戻す行為も負担に感じにくくなります。
例えば引き出しの中にケースを入れる場合も、すべての空間を仕切る必要はありません。よく使う物の周囲に少し余裕を持たせるだけで、探す時間が減り、乱れにくくなります。余白は無駄ではなく、暮らしに柔軟性を与えるためのスペースと考えると、収納の見え方が変わってきます。
買い足す前に「減らす」「兼ねる」を考える
新しい収納用品を迎える前に、今ある物で代用できないかを考えてみるのも一つの方法です。空き箱やトレー、使っていないカゴなど、家の中には一時的に活用できる物が意外とあります。仮置きとして使ってみることで、本当に必要なサイズや形が見えてきます。
また、一つの用品を複数の用途で使えるようにすると、数を増やさずに済みます。場所を限定せずに使えるシンプルな形の物を選ぶことで、暮らしの変化にも対応しやすくなります。収納用品を増やさない工夫は、管理の手間を減らすことにもつながります。
収納用品に頼りすぎないことで、物との向き合い方がよりシンプルになります。必要な物が分かり、動線に合った配置ができていれば、道具は最小限でも十分に機能します。収納は足し算ではなく引き算から考えることで、無理なく続く形に近づいていきます。
収納は一度整えたら終わり、というものではありません。暮らしは日々少しずつ変わり、その変化に気づかないまま同じ収納を続けていると、違和感が積み重なっていきます。片づけがしにくくなった、物が増えた気がする、使いにくさを感じるようになったときは、暮らしと収納のズレが生じているサインと考えることができます。
生活リズムの変化をきっかけに見直す
季節の移り変わりや仕事・家事のリズムの変化は、収納を見直す良い機会になります。夏と冬では使う物が大きく異なり、生活時間が変われば動線も変わります。以前は便利だった定位置が、今の生活には合わなくなっていることも珍しくありません。
こうした変化に気づいたら、大がかりな片づけをする必要はありません。引き出し一段、棚一か所といった小さな単位で見直すだけでも、使い勝手は改善します。負担の少ない範囲で調整を重ねることが、整った状態を保つ秘訣です。
「うまくいっていない場所」に注目する
家の中を見渡したとき、なぜか物が集まりやすい場所があるはずです。テーブルの端、玄関の棚、ソファの周辺など、無意識に置いてしまう場所には理由があります。そこは、今の収納が暮らしの流れに合っていない可能性が高い場所です。
散らかりやすい場所を責めるのではなく、「ここに何を置きたくなっているのか」「なぜここに集まるのか」を考えてみると、改善のヒントが見えてきます。新しい定位置を作ったり、置き方を少し変えたりするだけで、自然と整いやすくなることもあります。
続けるために完璧を目指さない
収納を維持しようとすると、理想の状態を常に保たなければならないと感じてしまうことがあります。しかし、多少乱れることは避けられませんし、乱れたときに戻しやすい仕組みがあれば十分です。完璧を目指すよりも、戻すハードルを下げることが大切です。
定期的な見直しを習慣にすることで、収納は特別な作業ではなく、暮らしの一部になります。物の量、定位置、使い方をその都度調整しながら、自分の生活に合った形を探していく。その積み重ねが、無理なく続く収納につながります。整った空間は目的ではなく、日々の暮らしを心地よくするための結果として、自然とそこにあるものになっていくでしょう。

